敬遠

先にコメント書かれちゃったんで微妙なんだけど
一応野球ネタってコトで


敬遠
故意四球、とも言われる
勝負所での強打者対策、併殺を狙う塁埋めetc...
仕様用途はいくらでもあるだろう
しかし、一般の人が敬遠と聞いて思い浮かぶのは、ほぼその意味ではない
記録のための敬遠だ


敬遠で有名なのはランディ・バースに対する敬遠だろう
54本を放ち、残り2試合は巨人戦・・・監督は王
ここで江川卓はバースに勝負を挑み、本塁打を打たせなかった
が、交代後と次の試合では手元が狂ったボールをヒットされた以外は四球
王は指示を出していなうが、コーチ陣からストライク投球に罰金が課せられていたらしい
後に江川は王が持つ7試合連続本塁打の記録にバースが迫った時にも対戦
ここでも江川は勝負し、そして打たれている
入団時の経緯は関係無く、勝負した江川はプロフェッショナルであり評価されるべきだ


日本にはまだ記録補助敬遠の歴史がある
野村克也三冠王
ダリル・スペンサーへの8連続敬遠は野村と関係ない阪急が行った
この時怒ったスペンサーがバットを逆に持って打席に入る抗議をする
山本浩二井上弘昭首位打者争い
1厘差で追う井上弘昭が無死満塁に代打で登場、が押し出しを選ぶ
長崎啓二田尾安志首位打者争い
中日vs大洋戦で中日が勝てば優勝、負ければ巨人の優勝
すでに順位が決まっていた大洋は田尾を5連続敬遠。敬遠がペナントまで左右した例である


最後の例では明らかに本質を外れている
シーズン通算の記録、というのは終了後のオプションのような物だ
野球に限らずスポーツという物は勝敗を競う物である
勝敗より優先順位が高い物があってはいけない
勝敗よりも別のものを優先した場合一種の八百長に当たるのではないか?


甲子園で松井秀喜が5連続敬遠され涙を呑んだ事がある
高校野球なので話は少し違うが結果松井敬遠策が当たり星稜高校は敗退する
賛否両論だったこの敬遠だが
高校野球を“教育”とするのか“スポーツ”するのか
ここをハッキリさせない限りはあくまでも野球というスポーツなので
この敬遠は戦術として正しかった、と言うことがいえると思う


メジャーリーグでも敬遠はある
イチローが敬遠されている、と聞いた事があるだろう
が、イチロージョージ・シスラーの記録を破ろうとして敬遠されたことなどない
メジャーでは敬遠は非常に重要な戦術として認知されている
その為メジャーでは日本とは3・4番の考えが違う
日本では主に3番は“アベレージヒッター”4番に“パワーヒッター”を置く
メジャーでは強打者の敬遠が日常茶飯事のために
3番“パワーヒッター”が敬遠されることを考え、4番“アベレージヒッター”を置く
出塁した走者を確実に点に継げる、という考えがあるためだ
その為メジャーでは3番の出塁率が非常に高い。今で言えばバリー・ボンズ
メジャーのこうした考え方はベーブ・ルースから始まった
ホームラン王ルースを敬遠させないための3番ルース、4番ゲーリッグが元祖だ


ベーブ・ルースは60本と言う不滅の記録を打ち立てた
その記録はのちにロジャー・マリスによって破られ、抗議の電話、非難の手紙が相次いだ
が、日本のように記録の為に敬遠する、いうことは無い
マーク・マグワイアサミー・ソーサが記録を更新した時も
バリー・ボンズがさらに更新した時も・・・
ハンク・アーロンはルースの通算ホームラン記録を更新した
王がアーロンの記録を塗り替えた時アーロンは祝福した
バリー・ボンズがルースの通算ホームラン記録を更新しようとしている
だからといって敬遠は起きないだろう
完全な実力主義となったメジャーリーグでは誰でもヒーローになれるからだ


結局敬遠の届かない韓国で王の記録が破られる事となる
これで王の記録は日本国内での記録でしかなくなった
また55本の記録を助っ人外国人が破ろうとした時どうするのだろう
まだ王の記録を守ろうとするのだろうか
その行為は逆に王の偉大な記録を辱める結果となる
“逃げなければ守ることができない”記録。そんなものに価値は無い
それとも“巨人”のローズだと記録更新は許されるのだろうか?
いい加減目を覚ませ


敬遠によって生まれるのは悲劇でもドラマでもない


茶番だ


記録は、破られるためにある